清水寺、二年坂、三年坂といった、京都の観光名所を中心に着物や浴衣を着て町歩きをするのが、外国人や若い年代の日本人に現在大変人気です。
多くの人にとって、着物は、所有している人も少なく、着物を着て観光をする際は、着物レンタルを利用することがほとんどではないかと思います。
・着物は歩きにくい?
それゆえに、「着物で町歩きを楽しもうとしたものの、うまく歩くことができず、あまり楽しめなかった。」と言った声をたまにお聞きします。
確かに、普段私たちが身にまとう洋服と着物とでは、構造などに大きな違いがあり、足がうまく動かせなかったり、草履の履き心地に慣れなかったりと、想像しているよりも大変な思いをすることもあるかと思います。
・二年坂や清水寺でよく見られる石段
二年坂周辺など、日本の伝統的な坂にあるような石段は、現代の道路と比べて少しゴツゴツしており、歩くのにはコツが必要です。
特に、雨の日などは滑りやすくなっているため、細心の注意が必要です。
また、後述する階段の上り下りは特に着物が苦手としやすい動作をマスターする必要があります。
・下駄が足に負担をかける原因とは。そもそも鼻緒は何でできている?
下駄には親指と人差し指を引っ掛ける鼻緒が付いています。
この鼻緒はボール紙や、新聞紙を丸めたもので作られており、この鼻緒こそが多くの人にとって、足に負担をかける原因となっています。
誤った履き方をすると、歩くたびに親指と人差し指の間の一点だけに集中して硬い紙を擦りつけ続けるのと同様の負担を足に与えてしまいます。
・正しい下駄の選び方
着物での町歩きでまず重要となるのは、自分に合った下駄の選定です。
下駄は、普段着用するブーツやスニーカーといった履物と比較すると非常に不安定に感じます。
この不安定な下駄はどのように選べばいいのでしょうか?
そのポイントは以下のようになります。
- サイズはジャストよりも少し小さいくらいのものを選ぶ
- 鼻緒は太くゆったりしたものを選ぶ
ジャストサイズより小さめのものを選ぶことで、下駄が脱げにくくなります。また、鼻緒が太めの下駄を履いた方が、指の間への負担が分散され、比較的痛くなりにくくなっています。
・楽に、正しく下駄を履く方法
下駄はスニーカーなどとは履き方が全く異なります。スニーカーでは、足がジャストですっぽり収まるように履くのに対し、下駄は、少しかかとがはみ出るように履くのが基本です。そんな履き方をすると、より不安定になるのではないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、この履き方こそがご自分の足を守るために重要な要素です。
多くの人は、普段のサンダルやスリッパのように親指と人差し指が鼻緒にしっかりはまるように履いてしまいます。
しかし、この履き方だと、歩くたびに鼻緒と指の間に摩擦が生じてしまいます。
その為、少しかかとがはみ出る履き方をなるべく意識し、指の間に鼻緒が強く当たりすぎないように心がけましょう。
・下駄による足への負担を減らすおすすめアイテム
履き方が安定しない間は鼻緒に絆創膏や専用のテープなどを巻きつけクッションの役割を持たせるといいでしょう。また、鼻緒用のジェルパッドなるハイテクな商品もありますので、長時間着物で歩く予定の方はこういった商品の導入も検討する必要があります。
また、万が一靴ずれを起こしてしまっても対処できるよう、キズパワーパッドなどの保護力の強い絆創膏を持ち歩いておくことをおすすめします。
・どうしても下駄が履きにくい場合の対処法
いくら履き方を注意しても最初はなかなかうまく履けず、歩き疲れてしまうかもしれません。
その場合、無理をして下駄を履かずに、草履を履くことをおすすめします。着物用の草履は柔らかく履きやすいものが多い為、着物に慣れていない方にはちょうどよく、よりストレスなく京都観光を楽しめると思います。
・着物で楽に歩くための着付けの工夫
着物は普段着の洋服などと異なり、着物の締め付けで非常に歩幅が狭くなってしまい、歩きにくくなったり、車の乗車時など、高低差の激しい動作は普段より苦労したりしがちです。
その対処法として、着付け終了時に裾割り(すそわり)(又割りともいう)をしておくと歩きやすく、動作が用意になります。
・裾割りの手順
裾割りは、足を肩幅に開き、スクワットをするように、立ったりしゃがんだりを数回行います。
すると、裾まわりの締め付けが幾分緩和されます。
最後に上前と下前のズレを直し、整えておきましょう。
着物レンタルなどを利用していて、着付け師さんに着付けをしてもらっている場合は、事前に楽に歩けるように裾割りをしておきたいという旨を伝えれば、スムーズに対応してもらえるでしょう。
・着物で美しく、安全に歩く方法
裾割りをすると格段に歩きやすくなりますが、普段着の時のように颯爽と歩いてしまっては、少し品がありません。
着物を着ている時は、着物に合った歩き方ができることが一番見栄えが美しくなります。
では、着物で美しく、なおかつ安全に歩くにはどうすればいいのでしょうか?
・基本は着物に歩幅を合わせる
歩く歩幅は着物が崩れない程度にとどめるといいでしょう。これを意識することで、自然と歩幅は狭く、内股気味で歩くことになり、上品さが出てくるようになります
また、手も大きく振るのではなく少し体に添えるような感覚を意識すると美しく見えます。
・階段や、段差の上り下りなど、大きな動作の対処法
裾割りをしているので、動きやすくはなっているものの、やはり大きい動作は着物が苦手としているポイントです。
二年坂周辺は階段になっている箇所もあり、やはり最初は歩きにくく感じるかもしれません。
階段や段差などは、上前を軽く押さえながら上り下りすると裾がめくり上がったりせず、上品です。
裾が長すぎて地面に引きずりそうな時はつまずいてしまうこともあるため、気持ち程度上前を持ち上げると安全です。ただし、持ち上げすぎると素肌が見えてしまい、上品さがなくなってしまうため気をつけましょう。
・着物での観光は、スケジュールに余裕を持つことが一番の安全対策
着物での清水寺や二年坂周辺の観光は慣れるまでは大変ですが、ゆっくりと歩けばそれほど危険ではなく、疲れすぎることもありません。危険があるとすれば、次の予定の都合などにより急がなければならなくなってしまった時です。
着物では基本的に早く走ったりすることはできないと考えておかなければなりません。やむをえず走ったりしなければならない時は、裾割りさえしておけば、それなりに早く走ることができますが、もちろん上品さはなくなりますし、靴ズレとの戦いが始まる可能性も高まります。
そうならないためにもスケジュールは十分余裕を持ちましょう。場合によってはタクシーを使うのもいいですし、疲れて着たなと感じたら、人力車などを楽しむ方向に切り替えることもおすすめです。
・着物で安全に歩くために、女性はエスコートしてもらう
デートの際などに、女性だけ着物や浴衣を着る場合はいつも以上に歩きにくく、歩くのに時間がかかってしまうことを男性は理解しなければなりませんし、女性は理解してもらう必要があります。
車の乗降などは、男性にドアの開閉などをエスコートしてもらい、階段などでも、危険な時は、男性が手を貸したりして、安全に、かつエスコートしたりされたりすることを楽しむつもりで町歩きをすれば、円満に事が進みます。
・着物を着たままトイレはできるのか?
最後に、着物を着たことがない人は、着物を聞いている際、トイレはどうすればいいのだろうと疑問にもうかもしれません。
着物を着ている時にトイレをしたくなった場合は、着物と下に来ている長襦袢(着物や浴衣用の肌着)を一緒にめくりあげればトイレをすることができます。
その際着物を汚さないようにするには、和式トイレより洋式トイレの方がやりやすいかもしれません。
以上が着物を着ながら、二年坂周辺などを安全に歩く方法でした。
一番大事なことは、やはりスケジュールに余裕を持つことでしょう。
着物レンタルなどを利用する場合は、スタッフに着物にあまり慣れていないことを伝えると、詳しい着物のノウハウや、下駄や草履を選定をしてくれるでしょう。
それでは、この記事を読んでくださった方がいい京都の観光ができることを願っております。
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